なぜ百貨店が既製服の工業化へ踏み込んだのか

 JIS企画の「婦人服の統一サイズ」という公的機関の発表以前に民間企業が国に先駆けて取り組んだ理由は何であったのであろうか。戦後の政府は基幹産業再建を優先して重厚長大を重視して輸出拡大の政策を先行した。既製服業界も行政機関へ申し入れる段階に至っていなかった。
 伊勢丹は女性の社会進出や生活の洋風化による顧客ニーズは直ぐ着られて、買いやすい価格の既製服を求めていることを見越していた。既製服とは「サイズとカラーを揃えることを強調し、科学的・合理的な商品開発や商品提供システムを作り、顧客の感性へ訴え掛けることがファッションの提案である」の確信を持って進んだのである。

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